国際規格ISO22000:2005「食品安全マネジメントシステム-フードチェーンの組織に対する要求事項」は、食品安全を目的としたマネジメント規格になります。
Codex(コーデックス)のHACCPシステム(食品衛生管理で世界的に認められている)に、ISO9001の要素を組み込んだ規格であり、食品製造業をはじめとするフードチェーンに携わるあらゆる企業で活用できる規格です。
ISO22000には、食品安全の確保のために知られている重要項目がまとめられおり、ケータリングやパッケージ産業も含めた「農場から食卓まで」のあらゆるフードチェーンの組織を網羅する食品安全マネジメントシステムの要求事項を規定しています。
また、相互関与的なコミュニケーション、システムマネジメント、必須プログラムとHACCPプランによる危機管理、継続的改善、およびマネジメントシステムの更新などが含まれています。
HACCPとは?
ISO22000の制定の歴史には、HCCPが深く関与しております。
HACCPとは,Hazard Analysis Criticai Control Pointの略であり、日本では「ハセップ」とか「ハシップ」と呼ばれています。
「危害要因分析と重要管理点管理方式」と訳され、世界的に認められている「食品の安全性」を保証するためのシステムです。
アメリカの航空宇宙局NASAが、人類を月に送り込むアポロ計画向けに開発した、「安全な商品」製造のために必要な衛生管理システムが原型になっており、危害について調査・分析し対策をたて、それらをCCP(必須管理点)において監査・管理する事により、食品の品質を確保するという管理手法となっています。
アポロ計画後、このHACCPシステムが「食品の安全性」を保つ為に非常に有効であることが理解されていき、各国独自のHACCPが誕生しました。
(下表参照)
規格 |
対象範囲 |
国 |
| Safe Quality Food 1000 | 一次生産者 | オーストラリア アジア |
| Safe Quality Food 2000 | 食品チェーン | オーストラリア アジア |
| Eurep Gap | 農業 | EC |
| NSFガイドライン | 食品チェーン | アメリカ |
| BRC規格 | 食品製造 | 英国 オランダ |
| AIB | 製パン | アメリカ |
| 総合衛生管理製造過程 | 一部の食品製造 | 日本 |
しかし、世界各国が異なったHACCPシステムを施行しているのは世界共際調和と言う面からみて好ましくないという事で、WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)との合同機関であるCodex食品委員会が提出したHACCPシステムが現在“Codex-Haccp”として国際基準になりました。
HCCPの弱点
HACCPシステムは、「食品の安全性」を保証するための最良のシステムといわれておりますが、多くの欠点も存在しています。
近年、日本においても、この承認を取得していた代表的な食品工場が大規模な食中毒事件を起こし、その有効性に疑問が投げかけられています。
HACCPの欠点
1. 経営者の関与、責任が不明確
2. 製造工程のみの部分的なシステム
3. 企業内の他の部門との内部コミニュケーションが不明確
4. 原料調達部門である購買の弱さ
5. サプライチェーンの対応が不明確
6. 設備(ハード)対策に重点をおいている
7. 審査員の力量不足により効果的な審査が施されていない
HACCPシステムとは、本来、仕組み(ソフト)です。
すなわち、ソフトとして、既存の設備(ハード)の中で「どのような「食品の安全性」を配慮した活動を行うか」を決定しなければ意味がありません。
HACCPシステムを有効に活用するには、ハード(設備)とソフト(仕組み)とのバランスの見極めが大切です。
ISO22000は、上記のようなHACCPの欠点をカバーする為に制定された、食品安全を目的としたマネジメント規格となります。



